〈a href="https://plus.google.com/u/0/102667563044732818612?rel="author"〉+Naoyuki Shibata

〒470-0113 愛知県日進市栄2丁目1306番地 ノースステージ2F

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土日祝祭日

ワンポイントコラム

Q.このたび消費税の改正があったとのことですが、概略について教

えてください。

答え

 消費税の一部が改正され、平成22年4月1日以降に次の①②のいずれ

にも該当する事業者の方は、免税事業者となることや簡易課税制度を

適用して申告することが一定期間制限されることとなりました。

※調整対象固定資産に該当する課税貨物を保税地域から引き取った場

も含まれます。
調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で、建物及びその附属設

備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、

器具及び備品、鉱業権等の無形固定資産その他の資産で、消費税等に

相当する金額を除いた金額が100万円以上のものが該当します。(法2

①十六、令5)

≪略語≫法・・・平成22年度改正後の消費税法、令・・・平成22年

度改正後の消費税法施行令

 

 

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Q 否認事例及び誤りやすい事例


 消費税調査における否認事例及び誤りやすい事例には、どの
ようなものがありますか。


答え

 具体的な否認事例及び誤りやすい事例として「課税事業者の
判定」「課税売上」「仕入税額控除」「簡易課税制度」「申告
書、各種届出書の提出等」の各項目別にご説明します。

 なお、解説の中に「(認容)」とあるのは、消費税額が減少、
あるいは還付税額が増加するものです。


(1) 課税事業者の判定
① 基準期間の算定
 基準期間となる設立1期目の事業年度が3か月間であり、その
期の課税売上高が900万円であるにもかかわらず、設立3期目の
消費税申告を行っていなかったもの

基準期間が1年未満である場合、課税売上高を1年分に換算し
て課税事業者かどうかの判定を行う必要があります。


② 法人成り
 個人事業者が資本金1,000万円未満の会社に法人成りした場合、
設立1期目の消費税申告を基準期間の個人時代の課税売上高が1,
000万円超であったとして、「消費税の課税事業者の選択届出書」
を提出することなく、消費税の還付申告を行っていたもの

納税義務の判定は、事業者ごと、すなわち個人事業者や法人ご
とに行うこととなりますので、個人時代の課税売上高は法人にお
ける課税事業者かどうかの判定には影響しません。

 なお、個人事業者が法人成りの際、法人に対し個人の事業用資
産を譲渡したり現物出資すると、個人事業者にとって課税の対象
となりますので注意が必要です。


③ 資本金1,000万円以上の会社の特例
 資本金1,000万円以上の法人を設立したにもかかわらず、設立1
 期目、2期目の消費税申告を行っていなかったもの

事業年度開始の日の資本金の額が1,000万円以上の法人につい
は設立1期目、2期目の基準期間がない事業年度には納税義務者
なります。

 3期目については、1期目の課税売上高が1,000万円以下かどう
により納税義務者かどうかの判定を行うことになります。


(2) 課税売上
① みなし譲渡
 法人がその役員に対して資産を贈与又は著しく低い価額で譲
したにもかかわらず、時価により消費税を課税していなかった
もの

法人が資産を役員に譲渡した場合で、その譲渡の対価の額が著
く低い(おおむね時価の50%未満)ときには譲渡における通常
の販売価額(時価)により課税されます。


 法人がその役員に対して無償又は著しく低い価額で行った資
の貸付、役務の提供について、時価をもとに消費税額を計算し
ていたもの(認容)

のケースとよく似た事例ですが、役員に対する著しく低い価
による資産の貸付や役務の提供の対価については、上記の役員
に対する資産の低廉譲渡の規定は適用されません。


② 固定資産税相当額の処理
 建物を売却した際に受領した“譲渡先負担となる固定資産税の
日割計算分”を、課税売上としていなかったもの

このケースにおける固定資産税の日割計算分は、地方公共団体
に納付する固定資産税そのものではなく、当事者間における利益
調節のための金銭の収受とされており、消費税においては建物の
譲渡対価の一部とされます。


③ 建物付土地の譲渡対価区分
 建物と土地を一括譲渡した際その対価区分を誤っていたもの

消費税における両者の区分方法には、次のようなものがありま
す。

イ. 譲渡時における時価の比率により按分する方法
ロ. 相続税評価額、固定資産税評価額を基に区分する方法
ハ. 土地、建物の原価を基に計算する方法


④ 売上割引
 売上割引を支払利息に準ずるものとして、課税売上のマイナス
としていなかったもの(認容)

売上割引は、会計上、利益に準ずるものとして取り扱われる場
合もありますが、消費税では売上に係る対価の返還として取り扱
うこととされています。


⑤ 土地の貸付
 青空駐車場(地面の設備、フェンス、区画、建物の設置、車
両等の管理なし)として貸し付けている土地の賃貸料を課税取引
としていたもの(認容)

更地の貸付に係る賃貸料は課税対象となりませんが、地面の設
備、フェンス、区画、建物の設置、車両等の管理を行っている駐
車場の貸付の対価は、施設の貸付として課税取引となります。


ⅱ 契約において定められた貸付期間が1月未満である土地の賃
貸料を課税取引としていなかったもの

土地は貸付は非課税ですが、土地の貸付期間が1月未満である
場合には例外的にその賃貸料は課税の対象となります。

⑥ 収用(対価補償金)
 収用の際受領した“建物に係る移転補償金”を課税売上として
いたもの(認容)

租税特別措置法上、法人税の特例として移設困難な建物等に対
する移転補償金を対価補償金として取り扱う規定がありますが、
そのような移転補償金でも、消費税においては対価性のない補償
金であるとして課税対象外となります。

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(3) 仕入税額控除
① 給与等人件費
ⅰ 従業員に係る通勤手当を課税仕入の対象としていなかったもの(認容)


⇒給与自体は仕入税額控除の対象とはなりませんが、通勤手当のうち、現に
その通勤の費用に充てられる部分の金額については仕入税額控除の対象とな
ります。これは、所得税の非課税限度額を超える通勤手当であっても差し支
えありません。


ⅱ 出向料を課税仕入としていたもの

 労働者派遣会社に対して支払った派遣料を課税仕入の対象としていなか
ったもの(認容)

⇒労働者派遣に対する対価は、給与に該当しないことから仕入税額控除の対
象となりますが、出向料は給与として取り扱われ、仕入税額控除の対象とな
りません。


② 旅費
 海外出張に係る費用を課税仕入としていたもの


⇒海外出張の場合の航空運賃、宿泊費、食事等の雑費は輸出免税や国外取引
に該当するため課税仕入には該当しません。ただし、海外出張の際の国内鉄
道運賃や国内宿泊費等課税仕入に該当する部分で、他の海外出張費用と区分
しているときは、その部分については仕入税額控除の対象となります。


③ 交際費等
ⅰ 贈答用ビール券、商品券等の購入費用を課税仕入としていたもの


⇒ビール券、商品券等の物品切手の購入は非課税とされ、仕入税額控除の対
象となりません。


ⅱ 香典、見舞金、お祝い金等を課税仕入としていたもの


⇒香典、見舞金、お祝い金等は資産の譲渡等の対価として支払われるもので
はなく、仕入税額控除の対象となりません。


④ 寄附金
 自社でパソコンを購入し、地元の小学校に寄附した費用を課税仕入の対
象としていなかったもの(認容)


ⅱ 地元の小学校がパソコンを購入するための資金を寄附したが、その額を
課税仕入の対象としていたもの


⇒現金を寄附した場合には、仕入税額控除の対象となりませんが、物品を寄
附した場合で、その物品の取得が課税仕入に該当するときは、その課税仕入
は仕入額控除の対象となります。


⑤ 会費
 同業者団体に係る通常会費を課税仕入としていたもの


⇒同業者団体、組合等に係る会費については、その団体としての通常の業務
運営のために経常的に要する費用を分担させ、その団体の在立を図るという
ような性質の会費(通常会費、一般会費等)については、通常、役務の提供
に係る対価に該当しないものとされています。

 ただし、名目が会費であっても、それが実質的に購読料、映画、演劇等の
入場料、研修受講料、施設利用料等と認められるときは仕入税額控除の対象
となります。


⑥ 租税公課
 駐車違反に係る、交通反則金、レッカー移動料、車両保管料を仕入税額
控除の対象としていたもの


⇒交通反則金はもとより、レッカー移動料、車両保管料についても仕入税額
控除の対象とはされません。これは、レッカー移動料や車両保管料は、往来
の妨げとなる違反駐車車両を移動しなければならないことに対する一種の損
害賠償金であるという考え方から導き出された取扱いです。


ⅱ 軽油引取税、ゴルフ場利用税、入湯税を課税仕入の対象としていたもの


⇒消費税の対象となる課税資産の譲渡の対価の額には、酒税、たばこ税、揮
発油税等は含まれますが、軽油引取税、ゴルフ場利用税、入湯税は利用者が
納税義務者となっているという理由から対価の額には含まれません。


⑦ 仕入
 請求書等の原始記録を紛失したため、商品受払簿で数量計算を行い、仕入
の事実を立証して法人税において損金処理が認められた取引につき、課税仕
入の対象としていたもの


⇒原則課税により仕入税額控除を受けるためには、課税仕入の事実を記録し
た帳簿及び課税仕入の事実を証する請求書等の両方の保存が必要とされてい
ます。これは、法人税の所得税において損金として認められる基準よりも厳
しくなっています。

 なお、支払対価が一回3万円未満の取引については、請求書等の保存は要
せず帳簿のみの保存で足りるとされています。


⑧ 建設仮勘定、未成工事支出金
ⅰ 建設仮勘定として計上した金額のうち役務の提供が完了した部分を、課
税仕入の対象としていなかったもの(認容)


ⅱ 工事に係る手付金、前払金を課税仕入の対象としていたもの


⇒消費税においては、役務の提供等が完了しているかどうかにより仕入税額
控除の可否が決定されます。したがって、建設仮勘定の中に役務の提供が完
了している工事に係る対価が含まれていれば、その工事の対価は仕入税額控
除の対象となります。

 逆に、手付金、前払金を支出したとしても、役務の提供がまだ完了してい
ない場合、その支出時点では仕入税額控除は認められません。


⑨ 低廉取得
 親会社から資産を低額で譲り受け、受贈益を計上した場合に、受贈益計上
後の金額を仕入税額控除の対象としていたもの(認容)


⇒消費税の課税標準となる譲渡対価の額は、対価として「収受すべき」額であ
るとされています。この「収受すべき」額はその資産の時価ではなく、その譲
渡により当事者間で授受することとした対価の額をいいます。


⑩ 貸倒損失、貸倒引当金繰入
ⅰ 貸付金につき貸倒処理したにもかかわらず、その金額の一部を消費税申
告の際、控除していたもの



ⅱ 個別評価に係る貸倒引当金繰入額を消費税の控除対象としていたもの


⇒課税売上に関して発生した債権を貸倒処理した場合、その債権に係る消費
税部分については消費税額から控除することができます。しかし、その対象
となる債権については、売掛金等その債権発生時に消費税が含まれている債
権に限られますので、事例のような貸付金についてはその適用はありません。

⑪ 課税事業者から免税事業者になった場合
 翌期は免税事業者になるにもかかわらず、期末の棚卸資産に係る仕入を仕
入税額控除の対象としていたもの


⇒課税事業者が免税事業者になった場合、免税事業者となる課税期間直前の
課税期間中に課税仕入を行った棚卸資産のうち、期末保有分に係る消費税額
については、その期の課税仕入の税額から控除する必要があります。


⑫ 課税売上割合
 土地を売却し課税売上割合が95%未満となっているにもかかわらず、課
税仕入税額全額を控除対象としていたもの


⇒課税売上割合が95%未満となった場合には、課税仕入税額の全額が控除対
象となりません。当事業年度に土地を売却したり、住宅の貸付事業を新たに
開始した事業年度においては、課税売上割合が95%未満となっていないかを
チェックする必要があります。


ⅱ 有価証券売却額の5%相当額を、課税売上割合算定における計算式の分母
に含めていなかったもの


⇒課税売上割合算定の際、有価証券売却額の5%相当額を考慮にいれていなか
ったという事例がよく見受けられますので、注意が必要です。


(4) 簡易課税制度
① 簡易課税制度選択の要件
 平成1641日以降に開始する基準期間の課税売上高が5,000万円超である
にもかかわらず、簡易課税制度を適用していたもの
 

② 簡易課税制度の取りやめ
 前事業年度に初めて簡易課税制度を選択したにもかかわらず、当事業年度に
おいて簡易課税を取りやめ、原則課税方式により消費税の計算を行おうとして
いたもの


⇒いったん簡易課税制度を選択してしまうと、事業を廃止した場合を除き、2
年間継続して簡易課税を適用しなければ、その適用をやめることは認められま
せん。


③ 兼業の場合におけるみなし仕入率の適用
 卸売業に係る課税売上高70%、小売業に係る課税売上高30%の兼業法人が、
全課税売上につき卸売業のみなし仕入率を適用していたもの(参考:卸売業の
みなし仕入率90%、小売業のみなし仕入率80%)


2種以上の事業に係る課税売上がある場合、特定の1種類の事業に係る課税売
上高が総課税売上高の75%以上を占める場合には、すべての課税売上について、
その75%以上を占める事業に係るみなし仕入率を適用することができます。


(5) 申告書、各種届出書の提出等
① 簡易課税制度選択届出書
ⅰ 「消費税簡易課税制度選択届出書」を簡易課税により計算した申告書と同
時に提出していたもの


⇒「消費税簡易課税制度選択届出書」は適用する事業年度開始前に提出する必
要がありますので、事業年度開始前までに、次事業年度において簡易課税によ
り申告するか否かの意思決定を行う必要があります。


ⅱ 過去において「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出しているにもかか
わらず、原則課税により申告を行っていたもの


ⅲ 従来、簡易課税制度を適用していた者が、「消費税簡易課税制度選択不適
用届出書」を提出することなく、原則課税による申告書を提出していたもの


⇒簡易課税を選択すると、その効果は「消費税簡易課税制度選択不適用届出書
」を提出するまで消滅しません。したがって、基準期間の課税売上高が簡易課
税を選択できない5,000万円超の事業年度でも、簡易課税を選択しているとい
う効果は潜在的に残っており、将来、基準期間の課税売上高が再び5,000万円以
下となった場合には簡易課税による申告を行う必要があります。


② 課税事業者選択届出書
 免税事業者が「消費税課税事業者選択届出書」を提出することなく当事業年
度の課税売上高が1,000万円超であるという理由で消費税の還付申告を行ってい
たもの


⇒免税事業者(基準期間の課税売上高が1,000万円以下の法人)については「消
費税課税事業者選択届出書」を事業年度開始前までに提出しない限り、消費税
の申告は認められないことになります。


③ 消費税の申告期限延長
 法人税の申告において申告期限延長の承認を受けたという理由により消費税
の申告を決算日から3か月後に提出していたもの


⇒消費税申告書の提出期限は、たとえ法人税の申告において申告期限延長の承
認を受けていたとしても、事業年度終了後2か月以内となります。これは、法
人税と異なり、税額計算を、確定した決算すなわち株主総会により承認された
決算書に基づき行う必要がないためです。
 

 

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Q1.源泉所得税についての目のつけどころ
 源泉所得税に係る調査はどのように進められますか。また、
調査のポイントにはどのようなものがありますか。


答え

 源泉所得税の調査は、資本金1億円未満の税務署所管法人に
いては、税務署による法人税や消費税、印紙税の調査と同時
行われます。

 一方、資本金1億円以上の国税局調査部()所管法人や支店、
工場等の事業所単位で源泉所得税の納付を行っている法人につ
いては、その納税地所管の税務署により単独で行われます。

 泉所得税に係る調査の進め方及び調査ポイントとしては次
のようなものが考えられ、法人側もこれに対応した事前チェッ
クが必要となります。


() 毎月の源泉所得税額の計算は正当か
 各人の毎月の給与に係る源泉徴収税額が適正かどうかにつき、
源泉徴収簿、扶養控除等申告書、税額表等から検討が行われま
す。

 その際、非課税限度額を超える通勤手当を支給している場合、
その超える部分につき課税が行われているかどうかについても
検討が行われる場合が多いようです。

 また、甲欄を適用して源泉徴収税額を計算している人につい
ては、その人から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が提出
されているかどうかについても検討が行われ、提出がない場合
は乙欄による税額計算が必要とされます。


() 年末調整の計算は適正か
 扶養控除等申告書、保険料控除申告書から、配偶者控除、配
偶者特別控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除そ
れぞれの額が適正に計算されているかどうかを源泉徴収簿にお
ける年末調整の計算プロセスから検討し、年末調整における税
額計算が適正に行われているかどうかにつき検討が行われます。

 具体的な検討としては、次のようなものが挙げられます。


 税額表による年末調整計算の検討


 生命保険料や地震保険料、社会保険料に係る控除証明書や
住宅取得控除における借入金残高証明書等の添付すべき証明書
等の添付漏れはないかどうかについての検討


 生命保険料控除額や地震保険料控除額の計算は適正かどう
かについての検討(特に、生命保険料控除における一般分と年金
分の区分、地震保険料控除に該当するかどうかについては
注意が必要です)


 扶養控除申告書に記載された配偶者や扶養家族の収入額か
ら、控除対象となる配偶者や扶養家族に該当するか、該当する
とすれば、その控除額は適正かどうかについての検討


()経済的利益や現物給与について課税漏れはないか
 源泉所得税の調査において、最も中心となるのがこの項目で
す。法人が計上している経費科目の内容を経費帳、請求書、領
収書等から検討し、従業員等に対する経済的利益や現物給与に
該当する支出はないか、該当する場合は、その支出額につき給
与所得として源泉徴収されているかどうかが検討されます。

 また、同族会社の場合、役員の個人的費用を会社が負担して
ないかについても重点的に調査が行われます。特に調査の対
象となる勘定科目として、次のような科目が挙げられます。


 給与
・課税対象となる各種手当、報奨金等につき課税漏れはないか


 福利厚生費
・給食費の会社負担額は適正か
・永年勤続者、成績優秀者等に対する表彰金等のうち課税対象と
 なるものはないか
・社内旅行費用やレクリエーション費用のうち課税すべきものは
 ないか


 支払家賃、受取家賃
・社宅家賃を従業員から適正に徴収しているか


 支払利息、受取利息
・従業員に対して無利息貸付け、低利貸付けを行っていないか


 旅費交通費
・非課税限度額を超える通勤手当について課税がなされているか
・旅費交通費の精算は適正に行われているか
・いわゆるカラ出張はないか


 租税公課
・従業員等が負担すべき所得税、住民税、固定資産税、交通反則
 金等を負担していないか


 交際費
・個人的な飲食費を交際費としていないか
・いわゆる“渡し切り交際費”はないか


 水道光熱費
・本来個人が負担すべき水道光熱費を法人が負担していないか


 雑費
・その他個人的な費用を会社が負担していないか


 会社と従業員等間の取引
・従業員等からの資産の高価買い入れはないか
・従業員等への資産の低廉譲渡はないか


(4) 報酬料金について源泉徴収漏れはないか
 法人が支払う報酬料金についても、法人の経費勘定等から源泉
徴収漏れがないかが検討されます。特に、重点的に調査の対象と
なる科目として、次のような科目が挙げられます。


 支払手数料、外注費
・工業所有権の使用料、著作権の使用料、デザイン料、原稿料等
 に対する支払いについて課税漏れはないか
・弁護士、司法書士、測量士、建築士、土地家屋調査士、個人の
 経営コンサルタント等に対する支払いについて課税漏れはないか


 人件費
・ホステスに該当する者に対して、報酬料金に係る源泉所得税を
 徴収しているか


 試験研究費
・工場所有権の使用料、技術士に対する報酬の支払い等につき源
 泉徴収が行われているか


 広告宣伝費
・個人事業者に対するデザイン料、原稿料、著作権使用料、挿絵・
 写真・吹き込み等の報酬に対する支払いについて課税漏れはないか
・広告宣伝のために支払う賞金等の支払いに対して源泉徴収が行
 われているか


 雑費
・社員研修における外部講師への謝礼金の支払いについて課税漏
 れはないか


(5) 退職金についての源泉税額の計算は適正か
 退職金に係る源泉所得税額計算の適否については、


 退職金を支払った際、受給者から「退職所得の受給に関する
申告書」が提出されているか(なお、その提出がない場合には、退
職金の支払金額の20%を源泉徴収する必要があります)


 勤続年数に応じて計算される退職所得控除額の計算は正しいか


 退職所得として源泉徴収をしているが、退職により支給され
たものではなく、賞与に該当し、給与所得としての源泉徴収を行
う必要があるものはないか


というような点を中心に調査が進められます。


(6) 非居住者に対する支払いについて源泉徴収漏れはないか
 例えば、非居住者や外国法人が行った、国内での役務提供に対
し手数料等を支払う場合、その手数料等の支払いにつき源泉徴収
が必要とされる場合があります。

 非居住者に対する人的役務の提供の対価、給与、不動産の賃貸
料、利子、配当、使用料、土地等の譲渡対価等の支払いについて
源泉徴収漏れはないかどうかということが検討されます。


(7) 海外勤務者に対する源泉徴収は適正に行われているか
 海外で勤務する者や新たに海外勤務となった者に対する国内勤
務分に対する給与の支払いについては、非居住者に対する源泉徴
収に係る規定が適用される場合がありますので、そのような者に
対する源泉徴収は適正に行われているかということが検討されま
す。


(8) 架空人件費の計上はないか
 源泉所得税の調査は、法人が計上した人件費を中心に行われる
ことになります。したがって、不審な人物に対する支払いや、支
給状態が不自然な給与の支払いの事実が明らかになった場合、源
泉所得税の検討より、法人税における架空人件計上の有無及び人
件費の計上の妥当性の検討を重点に調査が行われる場合も考えら
れます。

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社宅家賃と給与課税
 会社が従業員や役員に対して社宅や寮などを貸し付けている場合、
税務上定められた「賃貸料相当額」より、その従業員等から徴収し
ている賃貸料の方が低い場合、その差額分は経済的利益となり、原
則として、その従業員等に対し給与課税が行われます。


1 従業員に対する場合
 従業員に社宅等を貸し付けている場合、次の算式により計算され
額が「賃貸料相当額」とされます。なお、会社が他から借り受け
住宅等を社宅等として使用人に貸与する場合もこの算式によって
賃貸料相当額」を計算します。

 ただし、従業員についてはその従業員から徴収している賃貸料が
「賃貸料相当額」の50%以上である場合には、その差額については
課税されません。

2 役員に対する場合

役員に社宅等を貸し付けている場合は、次の(1)から(4)により「賃
貸料相当額」を計算しますが、その額は従業員に対するものよりも
高めに定められています。

 (1) 会社所有の社宅等を貸し付けている場合次の算式により計算し
た金額が「賃貸料相当額」とされます。

なお、「木造家屋以外の家屋」とは、その耐用年数が30年を超え
る住宅用の建物をいいます。

(2) 他から借り受けた住宅等を貸与している場合
他から借り受けた住宅等を役員に貸与している場合は、①会社が
支払う賃貸料の50%相当額と②その住宅等につき上記2(1)の算式に
より計算した金額のいずれか多い金額が「賃貸料相当額」とされま
す。

(3) 社宅等が小規模住宅に該当する場合
 その社宅等の床面積が132㎡(木造家屋以外の家屋については99
㎡)以下である場合には上記2(1)(2)によらず、上記1の従業員に対
する場合の算式により計算した金額が「賃貸料相当額」とされます。

(4) 社宅等が豪華社宅に該当する場合
 上記2(1)(2)(3)によらず、その住宅等の利用につき通常支払うべき
使用料の額(一般の賃貸住宅である場合に授受されると認められる
賃貸料の額)が「賃貸料相当額」とされます。

なお、豪華社宅であるかどうかは、床面積が240㎡超の社宅等のう
ち、取得価額、賃貸料、設備や内外装等の要素を総合勘案して判定
されます。また、床面積が240㎡以下のものであっても、プール等が
あったり、役員個人の嗜好が著しく反映されている社宅等については
豪華社宅とされる場合も考えられます。


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否認事例及び誤りやすい事例
 源泉所得税の調査における否認事例及び誤りやすい事例には、
どのようなものがありますか。


答え


 ご紹介する事例の中には基本的なものもありますが、税務調査
の際に、問題点として指摘されるものが多く含まれています。


(1) 個人的費用の付け替え
 役員の個人的な費用を請求書、領収書等を書き換え、事務用品
費として法人で処理していたもの

⇒個人的費用の会社負担については、税務調査において指摘が多
い項目であり、本例のような不正行為については重加算税の対象
となる場合があります。


(2) 表彰金
 成績優秀な従業員に対する表彰金を課税対象としていなかった
もの

⇒成績優秀社員に対する表彰金等を現金で支給する場合には、金
額のいかんにかかわらず給与等(賞与)として源泉徴収が必要とな
ります。


(3) 慰安旅行費用
 78日の海外慰安旅行を実施したにもかかわらず、その旅行費
用を福利厚生費として処理し、参加費に対する給与等としていな
かったもの

⇒次の三つの要件すべてを満たしていない慰安旅行費用について
は、経済的利益として課税する必要があります。


① その旅行に要する期間が45(目的地が海外の場合は、現地
における滞在日数)以内であること


② 参加する従業員の数が全従業員の数(工場や支店等の単位で行
う場合には、その工場や支店等の従業員の数)が半数以上であること


③ その旅行によって従業員の受ける利益の額があまりに高額で
いこと


(4) 慰安旅行不参加者に対する現金支給
 慰安旅行の不参加者に対し、旅行に代えて現金を支給している
合に、旅行参加者に対する課税を行っていなかったもの

⇒旅行の不参加者に対し、旅行に代えて現金を支給した場合、結
果的に従業員は、旅行参加か現金支給かを選択できることになり
ますので、全従業員について経済的利益があったものとして課税
が行われることになります。


(5) 無利息貸付け、低利貸付け
 従業員に対して貸付けを行っているが、その貸付金に対する利
息を徴収していなかったもの

⇒法人が従業員に資金を貸し付ける場合、次に示す通常の利息相
当額を徴収していないときは、通常の利息相当額と実際に徴収し
ている利息との差額については、給与(経済的利益)として源泉徴
収を行う必要があります。


① 法人が他から借り入れて貸し付けた場合:その借入金の利率


② その他の場合は、貸し付けを行った日の属する租税特別措置
法第93条第2項《利子税の割合の特例》に規定する特例基準割
合による利率により評価する。
 (注:特例基準割合とは、各年の前々年の十月から前年の九月ま
での各月における短期貸付けの平均利率[当該各月において銀行
が新たに行った貸付け(貸付期間が一年未満のものに限る。)に係
る利率の平均をいう。]の合計を十二で除して計算した割合[当該
割合に0.1% 未満の端数があるときは、これを切り捨てる。]とし
て各年の前年の十二月十五日までに財務大臣が告示する割合に、
年1%の割合を加算した割合をいう。)

 具体的な割合は次のとおりとする。

期間(平成 年/月/日) 年利率(%)
H27/1/1〜H27/12/31 2.8
H26/1/1〜H26/12/31 2.9
H22/1/1〜H25/12/31 4.3
H21/1/1〜H21/12/31 4.5
H20/1/1〜H20/12/31 4.7
H19/1/1〜H19/12/31
4.4
H14/1/1〜H14/12/31 4.1
H12/1/1〜H13/12/31 4.5

 ただし、災害や疾病等により多額の生活資金が必要となった場
合の貸付けや、その事業年度における利息相当額が5,000円以下と
少額な経済的利益については課税されません。

 また、使用人に対し住宅取得資金を貸し付けた場合、年1%以上
の利率により利息を徴しているときは、その経済的利益について
も課税されません(平成221231日まで)

  この特例は平成22年12月31日の適応期限の到来を持って廃止さ
れましたが、同日以前に使用者から住宅資金の貸し付けを受けて
いる人に対しては、廃止前の特例が引き続き適応されます。

  平成23年1月1日以降、新規に使用者が使用人に対して住宅取得
資金の貸付けを行った場合については、通常の金銭貸付けの場合
と同様の取扱いとなります。 


(6) 昼食代の会社補助
 従業員1人あたり月額3,500円を超える昼食代を会社負担として
いる場合に、その超える部分のみを課税対象としていたもの

⇒従業員に対する食事代の補助については、従業員が半額以上負
担し、かつ、一人月額3,500円以内の会社負担であれば非課税とさ
れています。

 ただし、この規定は非課税限度額を定めたものではありません
ので、会社負担額が3,500円を超えた場合、会社負担額全額が課税
対象となります。


(7) 永年勤続者に対する旅行券支給
 永年勤続記念として旅行券を支給したが、その使用状況を管理
ていなかったもの

⇒旅行券は有効期限の定めがなく、換金も可能なので、原則とし
て、給与等として課税が必要です。ただし、旅行券支給後相当期
間内(概ね1年程度)にその旅行に係るホテルの領収証等で旅行券の
使用状況を確認している場合には課税しなくて差し支えありません。


(8) 役員報酬の受領辞退
 業績悪化のため未払であった役員報酬の受領を辞退した際、そ
の辞退額につき源泉徴収していなかったもの

⇒給与等の支払者が、源泉徴収の対象となる給与等の未払金につ
き債務免除を受けた場合、その免除を受けた時点で支払いがあっ
たものとして源泉徴収を行うこととされています。

 ただし、給与等の本来の支給日前に受領を辞退した場合や、次
ような特殊事情の下において受領を辞退した場合には、源泉徴
収しなくて差し支えないものとされています。


① 整理開始命令、特別清算の開始命令を受けたこと


② 破産宣告、再生手続、更生手続開始の決定を受けたこと


③ 業績不振のため会社整理の状態に陥り、債権者集会等の協議
より債務の切捨てを行ったこと


(9) 未払役員賞与、未払配当に対する課税
 1年以上未払となっている役員賞与や配当につき、その支払い
ないという理由で源泉徴収を行っていなかったもの

⇒利益処分賞与、損金不算入となる役員賞与、配当金が、その確
定日から1年を経過した日までに支払いがない場合には、その1
を経過した日において支払いがあったものとみなして源泉徴収が
必要となります。


(10) 短期アルバイトに対する課税
 あらかじめ雇用期間が2か月以内と定められているアルバイトに
対する給与に適用する源泉徴収税額を、月額表又は日額表の乙欄を
適用して計算していたもの

⇒雇用期間が2か月以内と定められている者に支給する給与で、労
働した日又は時間によって算定されるものについては、日額表の
欄を適用して源泉徴収税額を計算します。


(11) 扶養控除等申告書提出の有無
 長期アルバイトに対して支払った給与に係る源泉徴収税額の計
を甲欄で行っているにもかかわらず、そのアルバイトから扶養
控除等申告書を徴していなかったもの

⇒甲欄で源泉徴収を行うためには、その使用人等から扶養控除等
告書を徴する必要があります。これは、源泉徴収事務の基本で
すが、実際の税務調査においては、扶養控除等申告書が提出され
ていない場合が多く見受けられ、乙欄による計算により追徴課税
が行われる場合があります。


(12) 中途採用者に対する年末調整
 前の勤務先がある中途入社者に対し当社支給分のみで年末調整
を行っていたもの

⇒この場合、前の勤務先発行の源泉徴収票を提出させて当社支給
分と合計して年末調整を行う必要があります。なお、前の勤務先
の源泉徴収票の提出がない場合には、当社支給分のみで年末調整
を行うことはできません。


(13) 保険料控除証明書の提出
 年末調整において、生命保険料控除を行っているにもかかわら
ず、保険料控除申告書に保険料支払いの事実を証明する証明書の
添付がなかったもの

⇒年末調整において、生命保険料控除や損害保険料控除、損害保
険料控除(国民年金等に係るもの)の適用を受ける場合には、原則と
して、保険料支払いの事実を証明する証明書を保険料控除申告書
に添付する必要があります。

 これらの証明書の添付もれが税務調査により指摘される場合が
少なからずあります。


(14) 定年退職者に対する慰安旅行費用
 定年退職者に対する慰安旅行費用を、退職を機会として行って
いることから、退職所得として課税していたもの

⇒この費用は、永年勤続表彰制度と同様の内容に基づくものであ
り、社会通念上相当と認められるものについては課税しなくても
よいと考えられます。


(15) デザイン料、原稿料等に対する源泉徴収
 個人に対して支払った、デザイン料、原稿料、講演料、経営コ
ンサルタント料につき報酬料金として源泉徴収を行っていなかっ
たもの

⇒このような報酬料金については10%(1回の支払いが100万円を
える場合、その超える部分については20%)の源泉徴収が必要です。
調査においては、スポットで支払われた報酬料金についての源泉
徴収もれがよく見受けられますので注意が必要です。


(16) 法人に対して支払う報酬料金
 法人に対して支払う建築士の報酬について誤って源泉徴収して
いたもの

⇒法人に対する報酬料金の支払いについては源泉徴収する必要は
ありません。誤って源泉徴収をした場合には、所轄税務署長に誤
納還付請求書を提出し、源泉税相当額の還付を受けることになり
ます。


(17) 国内勤務期間に係る賞与に対する源泉
 年の中途で3年間の海外支店勤務となった従業員に対し、転勤
後本社で支給された賞与の中に国内勤務期間に係る部分があるに
もかかわらず、その部分につき源泉徴収を行っていなかったもの

⇒非居住者が支払いを受ける給与や賞与などのうち、国内におい
て行う勤務や人的役務の提供に起因するものがあればその部分に
ついては、国内源泉所得として源泉徴収が必要です。
 すなわち、次の算式により計算した額については、非居住者に
対するものとして20%の税率により源泉徴収が必要となります。


賞与の総額×国内勤務期間/賞与計算の基礎となった期間


 なお、その他の部分については源泉徴収の必要はありません。


(18) 海外勤務役員の給与に対する源泉徴収
 海外支店で長期間勤務している役員に対して支給した給与等
つき源泉徴収をしていなかったもの

⇒内国法人の役員として国外で勤務する場合には、その勤務は国
内において行う勤務に含まれます。したがって、その役員に対し
て支給された給与等は国内源泉所得となり、源泉徴収の必要があ
ります(租税条約に別段の定めがある場合を除きます)

 なお、次に該当する場合、その勤務は、国内における勤務には
含まれません。


① 内国法人の役員兼海外支店長のように、内国法人の使用人と
して海外支店等で常時勤務する場合


② 内国法人の役員が国外にあるその法人の子会社に常時勤務す
る場合

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◎源泉所得税における加算税等の取扱い


1 源泉所得税の法定納期限と加算税
 会社などの源泉徴収義務者が源泉徴収をした所得税の法定納期限は、
原則として、対象となる所得を支払った月の翌月10(納期の特例の承
認を受けている者は、原則として、710日又は20)とされ
ています。

 この法定納期限までに源泉所得税を納付しなかった場合には、ペナル
ティとして不納付加算税、重加算税、延滞税が課されます。


(1) 不納付加算税
 源泉所得税を法定納期限までに納付しなかった場合には、本税の10%
 の不納付加算税が課されます。(5,000円未満は不徴収となります)
 ただし、①本税を自発的に納付した場合であり、かつ、②その納付が
税務調査により納税の告知があることを予知して納付されたものでない
ときはその税率が5%に軽減されます。


(2) 重加算税
 また、事実の全部又は一部を隠ぺい、仮装して源泉所得税を法定納期
限までに納付しなかった場合には、悪質であるとして、不納付加算税に
代えて、本税の35%の重加算税が課されます(5,000円未満は不徴収)


(3) 延滞税
 これらの加算税とは別に、法定納期限の翌日から納付日までの日数に
応じて延滞税を納付しなければなりません。

 税金の納付が遅れると、遅れた日数が2か月以内については年利7.3%2か月を超えた日数につい
ては年利14.6%の割合で延滞税がかかります。

  ただし、現在は以下のようになっております。 

1.(1) 納期限(注2)の翌日から2月を経過する日まで
 原則として年「7.3%」
 ただし、平成12年1月1日から平成25年12月31日までの期間は、「前年の11月30日におい
 て日本銀行が定める基準割引率+4%」の割合となります。

 また、平成26年1月1日以後の期間は、年「7.3%」と「特例基準割合(注3)+1%」のいずれか
 低い割合となります。なお、具体的な割合は、次のとおりとなります。

  • 平成27年1月1日から平成27年12月31日までの期間は、年2.8%
  • 平成26年1月1日から平成26年12月31日までの期間は、年2.9%
  • 平成22年1月1日から平成25年12月31日までの期間は、年4.3%
  • 平成21年1月1日から平成21年12月31日までの期間は、年4.5%
  • 平成20年1月1日から平成20年12月31日までの期間は、年4.7%
  • 平成19年1月1日から平成19年12月31日までの期間は、年4.4%
  • 平成14年1月1日から平成18年12月31日までの期間は、年4.1%
  • 平成12年1月1日から平成13年12月31日までの期間は、年4.5%

2.(2) 納期限の翌日から2月を経過した日以後
 原則として年「14.6%」
 ただし、平成26年1月1日以後の期間は、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか
 低い割合となります。なお、具体的な割合は、次のとおりとなります。

 平成27年1月1日から平成27年12月31日までの期間は、年9.1%
 平成26年1月1日から平成26年12月31日までの期間は、年9.2%

3.(注3) 特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新
 規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日ま
 でに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます


2 不納付加算税が課されない場合
 このように、法定納期限までに源泉所得税を納付しなかった場合には
不納付加算税が課されますが、期限後納付となったことについて「正当
な理由」がある場合には、不納付加算税を課さないこととされています。

 「正当な理由」にあたるものとして、例えば、次のようなケースが示
れています。


(1) 従業員などが提出した、扶養控除等申告書、配偶者特別控除申告書、
保険料控除申告書等をもとに行った控除が過大であった場合で、会社な
ど源泉徴収義務者側の責めに帰すべき事由があると認められないとき。


(2) 災害、交通・通信の途絶など、真にやむを得ない事由があると認め
られるとき。


(3) その他、たまたま納付するのが遅れたという、いわゆる”うっかり
ミス”による期限後納付についても措置が施されており、法定納期限の
翌日から1か月以内に納付され、かつ次のいずれかに該当するときも「
正当な理由」があるものとされています。


① その直前1年分について納付の遅延をしたことがないこと(偶発的な
納付遅延)


② 新たに源泉徴収義務者となった者の初回の納期に係るものであるこ
(初回の納付遅延)


 なお、不納付加算税が課されない場合でも、延滞税は課される場合が
ありますので、ご注意ください。

Q 税務調査手続きが改正されたとのことですがどのように改正されました
か?概要を教えてください。
 


税務調査手続きの改正が、平成23年12月2日施行の「経済社会の構造の変化に
対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」により行
われました。


適用時期は平成25年1月1日以後の税務調査からです。


まず、税務調査を行う場合の事前通知については、原則として、あらかじめ事
前通知を行うことが法律で定められました。


これまでも一部の調査を除いて事前通知は行われていましたが、法律としての
規定はありませんでしたのでこれを法律で規定したということです。


通知の内容は、
例えば
(イ)調査の開始日時
(ロ)調査の場所
(ハ)調査の目的(例:○年分の所得税の申告内容)
(二)調査の対象となる税目
(ホ)調査の対象となる期間
(へ)調査の対象となる帳簿書類その他の物件(例:所得税法○条に規定する
帳簿書類)

です。


実際に運用されるのは平成25年からですが、気になることが何点かありま
す。


通知内容として調査対象税目とありますが、調査の実際事前通知で示された
項目以外は

調査できないと解すべきでしょうか?
(しかし、別の事項で非違が認められる場合は調査を妨げないとはあります
が)。


通知内容として調査の対象となる期間とありますのでたとえば平成23年分の
所得税でしたら

平成20年分の調査はできない事になります。


通知内容として調査の場所とありますが、調査の場所が本店でしたら社長の
自宅は調査できない

事になります。


通知内容として調査の対象となる帳簿書類その他の物件とありますので調査
の対象が所得税法に規定する帳簿書類でしたらパソコンは調査できない?


実際に運用されて、税務署がどのように通知してくるかが興味深いことです
し、税理士はその通知内容を十分に分析して調査に臨む必要があろう。


事前通知以外の改正内容としては、調査終了時の手続きについて、課税庁の納
税者に対する説明責任を強化する観点から、法律上明確化されます。


また、現行の調査事務上行われている物件の預かり・返還などに関する規定が
法律上明確化されます。

Q更正の請求の期間が延長されたそうですが、内容について教えてください。

それと合わせて、当初申告要件が廃止されたものがあるそうですが、その内容についても教えてください。

 

平成23年度税制改正大綱に盛り込まれておりました、税金を払い過きた場合に、納税者側の手続きにより取り戻すことが申請できる「更正の請求の期間延長等」について平成23年11月30日に可決成立し、平成23年12月2日より以下の内容で施行されることとなりました。

 

1.平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。

しかし、「更正の請求の期間延長」とともに、税務署長が増額更正を行うことができる期間も5年(脱税は7年)に延長されています。

区分

旧法

新法

下記に掲げるもの以外の更正の請求

法定申告期限から1年

法定申告期限から5年

贈与税、 移転価格税制に係る法人税

法定申告期限から1年

法定申告期限から6年

に係る更正の請求

法人税の純損失等の金額に係る更正の請求

法定申告期限から1年

法定申告期限から9年

平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する国税への対応

本来は適用されない過去の期間のものでも、課税庁により増額更正できる期間内のものについて、納税者から「更正の申出書」の提出があれば、調査検討の上、 納め過ぎが認められた場合には、減額更正が行われることとなります。

 

2.当初申告要件の廃止

当初申告の際、 申告書に適用金額の記載があった場合に限り可能とされていた措置のうち、 以下のものについては、 更正の請求により事後的に適用を受けることができることとされました。

※ 当初申告要件が廃止された主なもの

区分

該当する主な適用項目

所得税

純損失・雑損失の繰越控除、変動・臨時所得の平均課税、外国税額控除、控除対象外消費税

法人税

受取配当等の益金不算入、所得税額・外国税額控除、寄附金の損金算入

相続税・贈与税

配偶者の税額軽減、 贈与税の配偶者控除、 相続税における特定贈与財産の控除

3.控除額の制限の見直し

控除等の金額が当初申告の際に申告書に記載した金額に限定される「控除額の制限」がある措置について、「更正の請求」により、適正に計算された正当額まで増額できることとされました。

 

※ 控除額制限が見直された主なもの

区分

                  該当する主な適用項目

所得税

青色申告特別控除(65万円)、中小企業者等の機械等取得の特別控除、試験研究費特別控除

法人税

受取配当等の益金不算入、所得税額・外国税額控除、寄附金の損金算入

4.その他

(1)故意に内容虚偽の更正の請求書を提出した場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。

(2)更正の請求に際しては、納税者がその理由を証明するとの趣旨を明確化する観点から、更正の請求の理由の基礎となる『事実を証明する書面』 の添付が義務化されます。

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