Q 税務調査手続きが改正されたとのことですがどのように改正されました
か?概要を教えてください。
A
税務調査手続きの改正が、平成23年12月2日施行の「経済社会の構造の変化に
対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」により行
われました。
適用時期は平成25年1月1日以後の税務調査からです。
まず、税務調査を行う場合の事前通知については、原則として、あらかじめ事
前通知を行うことが法律で定められました。
これまでも一部の調査を除いて事前通知は行われていましたが、法律としての
規定はありませんでしたのでこれを法律で規定したということです。
通知の内容は、
例えば
(イ)調査の開始日時
(ロ)調査の場所
(ハ)調査の目的(例:○年分の所得税の申告内容)
(二)調査の対象となる税目
(ホ)調査の対象となる期間
(へ)調査の対象となる帳簿書類その他の物件(例:所得税法○条に規定する
帳簿書類)
です。
実際に運用されるのは平成25年からですが、気になることが何点かありま
す。
通知内容として調査対象税目とありますが、調査の実際事前通知で示された
項目以外は
調査できないと解すべきでしょうか?
(しかし、別の事項で非違が認められる場合は調査を妨げないとはあります
が)。
通知内容として調査の対象となる期間とありますのでたとえば平成23年分の
所得税でしたら
平成20年分の調査はできない事になります。
通知内容として調査の場所とありますが、調査の場所が本店でしたら社長の
自宅は調査できない
事になります。
通知内容として調査の対象となる帳簿書類その他の物件とありますので調査
の対象が所得税法に規定する帳簿書類でしたらパソコンは調査できない?
実際に運用されて、税務署がどのように通知してくるかが興味深いことです
し、税理士はその通知内容を十分に分析して調査に臨む必要があろう。
事前通知以外の改正内容としては、調査終了時の手続きについて、課税庁の納
税者に対する説明責任を強化する観点から、法律上明確化されます。
また、現行の調査事務上行われている物件の預かり・返還などに関する規定が
法律上明確化されます。