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科目別税務調査の目のつけどころ・・・交際費(その1)

11回 科目別税務調査の目のつけどころ・・・交際費(その1)  

 交際費とは、租税特別措置法において「交際費、接待費、機密費その他の費用で法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」をいうとされています。 

 したがって、その範囲は広く、支出の相手方は、得意先、仕入先だけではなく、同業者、従業員、株主、地域住民などの事業関係者が含まれます。また、単なる飲食、贈答の費用だけではなく、謝礼金、リベート、情報提供料、談合金、地元対策費なども交際費に含まれる場合がありその処理について誤りが散見されるところです。 

 さらに、その否認額は、翌期以降認容(翌期以降に所得から減算されること)とならず、社外流出項目となるため、その影響は大きくなります。

  Q1 交際費勘定の目のつけどころとしてはどのようなものがありますか。 

 

 交際費勘定の目のつけどころとしては次のようなものがあります。

 @ 本来交際に該当する取引を交際費に該当しない取引に仮装して処理していないか 

      交際費課税を免れるために、人数の水増し、請求書・領収書の内容の改ざん、バックデートによる契約書の作成などの仮想行為が行われている場合があ  ります。このような不正行為が明らかになれば当然、重加算税対象の否認になります。 

 A 交際費以外の費用科目の中に交際費に該当するものが含まれていないか 

  これは、いわゆる「他科目交際費」の検討といわれるもので必ずおこなわれるものです。特に誤りやすい勘定科目としては、会議費、支払手数料、売上割戻し、広告宣伝費、福利厚生費、給料、寄付金、雑費などが挙げられます。   

 B 固定資産や棚卸資産の取得価額の中に交際費に該当するものが含まれていないか  

   交際費は、その支出が行われた事業年度において課税関係が生じます。したがって固定資産や棚卸資産の取得価額に算入さておりその期の損金になっていない場合でも、その交際費は支出した期の交際費として損金不算入の対象にしなければなりません。 

 C 交際費の中に個人的費用や使途秘匿金に該当するものが含まれていないか  

   法人が交際費として処理している費用の中にも、その内容が役員等の個人的費用や使途秘匿金に該当するものが含まれている場合があります。この場合、役員等の個人的費用であればその役員に対する給与(あるいは賞与)として源泉所得税の問題が生じます。また使途秘匿金であれば使途秘匿金課税(40%の税額加算)の問題が生じます。よって、損金不算入対象とされている費用も調査のポイントとされる場合があります。

 Q2 交際費勘定について税務署の担当者はどのように調査を進めるのですか。 

 担当者によって相違はありますがおおむね次のような点を中心に調査は進められるものと思われます。 

 @ 会社内部におけるチェック体制の把握

   まず、どのような費用を交際費として処理しているのか、また、その判定は誰があるいはどの部署が行っているのか、交際費の支出の承認はどの部署が行っているのかなどの会社内部のチェック体制を把握します。 

 A 元帳、経費帳、証憑類、契約書などからの検討 

 次に、元帳、経費帳などから交際費に該当すると思われる費用を抽出し、それに係る請求書、領収書、契約書などからその内容を検討し交際費加算漏れの 有無を調査します。その際、特に請求書、領収書に人数の水増し、内容の書き換えなどの改ざん、契約書がバックデートで作成されていないか等を重点的に調査します。 

 B 社内決裁文書などからの検討 

 稟議書や社内の決裁文書などから費用に支出目的、支出内容を検討し、交際費に該当するものがないかを検討します。  

 C 交際費に係る予算、実績からの検討  

  会社によっては各部署や担当者ごとに交際費の予算を定めている場合があり、その予算を超えて交際費が必要になった場合に他の科目に仮装して支出を行い交際費課税を免れようとする場合があります。そのため、各部署の予算、実績状況を把握し、交際費課税を検討する場合もあります。

  D 業種、業態からの検討  

  各業種、業態に応じ、特有の交際費支出があります。よって、税務署の調査担当者はその業種、業態に特有の支出について、準備調査の段階で十分理解した上で調査に臨み、これらの支出が交際費として処理されているか、また、計上がない場合には他の科目に仮装されていないか等の検討を行います。例えば建 設業においては地元対策費・談合金・元請担当者に対するリベート、医薬品製造販売業における病院や医者に対する利益供与などがこれに該当します。 

 E 反面調査の実施  

  調査対象法人の社内の帳簿や資料だけではその取引実態が明らかにならない場合はその支出先に対して反面調査を行い取引内容を確認する場合もあります。 

〈参考法令〉措法614、措通61424

 

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