税務調査を法的に考えるQ&A
Q 27 理由附記はどこまで拡大されたのか
「理由附記の拡大」は、国税通則法が改正され、課税庁からの処分についても行政手続法第8条と14条が適用になりました。
それではこの範囲はどこまでなのでしょうか。
行政手続法では以下のようになっています。
行政手続法第8条(理由の提示)
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。(以下略)
行政手続法第14条(不利益処分の理由の提示)
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。(以下略)
この条文が適用になったことにより、「納税者に不利益な処分にはすべて」理由附記が必要 となったわけです。
改正前は、青色申告者であっても、加算税の賦課決定については理由附記がなされていませんでしたが、改正後は加算税の賦課決定にも理由附記が必要となりました。
理由附記 の全体をまとめると、下記のとおりです。
【法改正前】
・青色申告者に対する更正については理由附記が必要(法人税法第130条、所得税法155条)
・上記以外はすべて、理由附記 が不要
【改正後】
・青色申告者に対する更正は理由附記が必要(法人税法第130条、所得税法155条)
・白色申告者に対する更正は理由附記が必要(行政手続法第14条)
・加算税等の賦課決定は理由附記が必要(行政手続法第14条)
・その他、申請関係が拒否された場合は理由附記が必要(行政手続法第8条)
というような整理になります。